2025年4月12日〜2025年4月27日まで京都市のギャラリー NEUTRAL にて関 康隆写真展「あした無にかえる」を開催いたします。
関康隆は熊本生まれの写真家。音楽業界のフォトグラファーとして沖縄を拠点に国内外で活動してきたが、熊本地震を機に作家活動へと軸足を移した。震災を経て生まれ故郷に戻り、「人間と土地の関わり」をテーマに作品を制作している。 本展では、震災後に向き合った故郷との関係性を軸に、日本人としての個性や自然観、そして歴史の記憶に触れた感覚を表現する。数十年ぶりに帰った故郷は、かつての記憶とは異なっていた。震災の記憶を共有できないことによる隔たりや、変わりゆく風景に対する戸惑い。撮影を重ねることで、それまで曖昧だった土地との関係が少しずつ明確になっていったという。関にとって、写真を撮ることは、対象を理解し、肯定する行為である。 本展では、その過程を通じて生まれた作品が並ぶ。
Artist Statement
30年以上離れていた故郷に戻り、高齢になった祖母に会う機会が増えた。会う度に目に見えて衰えていく姿はいずれ訪れるその時を予感させた。当たり前のものなどなく、ある日突然世界は一変する。 それを気付かせてくれたのなら、故郷で起きた震災は私にとってギフトだったのかも知れない。当たり前の明日が崩れるということは時の無常の中では必然なのだ。
信じられないようなことが次々と起こる今、どう生き抜くのか問われている気がする。自分の中にあるわだかまりすらも無に帰し、それすらもギフトに変える力が必要だ。 誰もが胸の奥にそんな力を秘めている。
アートディレクター 三村 漢
本展は国際写真祭KYOTOGRAPHIE サテライト企画KG+2025に参加しています
https://horikawa-shinbunkabldg.jp/ https://kgplus.kyotographie.jp/exhibitions/2025/yasutaka-seki/